
連載コラム第1回:DIYで煙突・薪ストーブを設置する魅力とは?
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寒い冬の朝、ストーブの扉を開けて薪をくべる。パチパチと火がはぜる音に耳を澄ませながら、じんわりと暖まる空間に穏やかな時間が流れる。それが「自分の手で設置した」薪ストーブだったとしたら、その喜びはかけがえのないものでしょう。
近年、薪ストーブや煙突のDIY設置に挑戦する方が少しずつ増えてきました。そこで薪ストーブと煙突をDIYで設置するために必要な情報を、数回に分けたコラムで紹介します。第1回である今回は、その魅力とこれから煙突と薪ストーブ設置を始める方に向けた心構えをお伝えします。
自分の手で「火のある暮らし」をつくるということ
DIY最大の魅力は、なんといっても「自分の手で暮らしをつくる」実感。
薪ストーブや煙突の設置は決して簡単ではありませんが、それだけに完成したときの達成感は格別です。好きなだけ時間をかけて自分が納得できる仕上がりまで完成度を高められるのはDIYならではの醍醐味ではないでしょうか。
- 家族や友人と協力して設置するという経験はかけがえのない宝物
- 自分が納得できるまでたっぷり時間をかけることで得られる満足感
- 火をつけた瞬間の感動はひとしお
- 空間に対する「愛着」が圧倒的に増す
「この部材を使って、ここに煙突を固定した」「雨漏りしないように、考え抜いて何重にも防水する工夫をした」「屋根裏は埃っぽくて、狭くて大変だった」etc...
そういった一つ一つの経験が、薪ストーブの暖かさに深みを与えてくれます。
費用の節約
ストーブと煙突の設置は、業者に依頼すれば数十万円の工事費がかかることもあります。
DIYなら、基本的に材料費のみで済む場合が多く、費用面で大きな節約になります。もちろん、適切な知識や準備が必要ですが、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。
不安な場合は薪ストーブ専門店に相談したり、屋根や壁の開口等の施工を工務店に依頼するなどして安全面には十分に注意することが大切です。薪ストーブ・煙突のDIY施工を指導してくれるストーブショップを探すのも良い方法です。設置工事が困難な場合そのまま専門店に続きを依頼することもできるかもしれません。くれぐれも無理をしないようにしましょう。
DIYすることでストーブや煙突に対する理解が深まる
DIYするとなると、「どうやってここに煙突を通すか」「どうやって煙突を固定するか」「どんな部材が必要か」「雨仕舞いはどうすれば良いか」「この設置で安全面に問題はないか」「設置後のメンテナンスはどうすれば良いか」など様々なことを考えます。この考える時間がDIYの楽しさの本質かもしれません。
その考えるというプロセスは楽しいだけではなく、とても大切な財産でもあります。設置プランを立てることで薪ストーブや煙突の構造を理解するチャンスを得られます。また、構造を理解できると、煙突掃除やメンテナンスも自分で対応することが容易になります。将来的にストーブの増設や煙突ルートの変更などにも対応しやすいでしょう。
「こうしたい」という思いを、そのまま形にできるのがDIYの強みです。
ただし、しっかりとした知識と準備は不可欠
DIYの魅力をお伝えしましたが、同時に危険も伴う作業であることを忘れてはいけません。
- 煙突と可燃物の離隔距離(法律・消防法で規定あり)
- ストーブ周囲の断熱・遮熱措置
- 薪ストーブの燃焼に必要な煙突の長さ
- 屋根を貫通する際の雨仕舞の技術
- 事故を未然に不防ぐ煙突の固定方法
これらを正しく理解せずに設置すると、火災や一酸化炭素中毒のリスクが生じます。
次回以降のコラムでは、これら法律・安全基準について具体的な数値を交えて詳しく解説していきます。
最後に
薪ストーブをDIYで設置するというのは、「火のある暮らしを自分の手で実現する」こと。それは暮らしそのものに責任と愛着を持つ行為でもあります。
あなたのストーブライフが、安全で心豊かなものになるよう、SCANDI LINEが全力でサポートします。
次回:「DIY設置に必要な知識と法律・安全基準」へ続きます。