煤が詰まった煙突トップ

薪ストーブがうまく燃えない──煙が逆流する原因は?

今シーズンから薪ストーブを使い始めたユーザー様から「煙突が詰まったみたいで、薪ストーブがうまく燃えない」と連絡がありました。ひとまず自分で煙突掃除してみたけど改善しないということなので現地に確認しに行きました。

煙が逆流する主な原因

薪ストーブは本来、煙突の「上昇気流(ドラフト)」によって煙を外に排出します。しかし何らかの原因でこの流れが崩れると、煙は行き場を失い室内に逆流してしまいます。煙が逆流してしまう原因は主に次の4パターンです。

煙突のドラフト不足(上昇気流が弱い)

煙突内の空気が冷えていると、煙を上へ引き上げる力が弱くなります。ドラフト不足の主な原因は、煙突が短い、外気温が高い、シングル煙突部分が長いことが挙げられます。

室内が負圧になっている

換気扇やレンジフードは強く空気を外に排出するため、室内が負圧になります。すると煙は本来排気されるはずの煙突からではなく、空気の入り口である室内側へ流れ込みます。高気密住宅ではとくに起こりやすい現象です。

③ 風の影響(風圧帯)

風圧帯とは、風が建物などの障害物にぶつかり発生する高気圧帯のことです。屋根面から近い位置に煙突上部のトップがあったり、近くに高い建物や木がある状況で風圧帯の影響によるダウンドラフトが起こりやすいです。

④ 煙突の詰まり

煙突内部にススやタールが溜まると、空気の流れが阻害されます。煙突を詰まらせる原因は、乾燥不足の薪の使用、空気を絞りすぎた低温燃焼(燻り運転)などです。

逆流の原因は煙突トップの詰まりでした

薪ストーブを使い始めて間もない頃に知らずにやってしまうことって幾つかありますが、よくあるのは焚き付け時に換気扇が回っていてうまく着火できず、室内に煙が逆流すること。設置後1年目のお客さんから「煙が逆流する」と連絡を受けた時はほとんどがこのパターン。なので最初は換気扇が怪しいなと思っていましたが、換気扇は回っておらず、近くの窓を開けてもうまく燃えないということでした。

煙突掃除はしたということだったので、煙突の詰まりではないと思って少し焚いてみました。すると薪ストーブ本体から煙が溢れ、煙突の繋ぎ目からも煙が漏れ出して排気できていないのがわかりました。そこで屋根に登って煙突を確認すると、煙突トップの防鳥網に煤が付着して網目を完全に塞いでいました。下からブラシで突いたつもりでもここまで届いていなかったようです。やはり煙突掃除は屋根の上から行うのが基本なんですよね。構造上、一番つまりやすいのは煙突トップなので、そこを目視することの重要性を再認識しました。

防鳥網の網目が煤で塞がれた煙突トップ

煙突詰まりの原因

今回の煙の逆流の原因は煙突トップの詰まりでした。ではなぜ煙突トップが詰まってしまったのか?

煙突の内側やストーブ炉内を見たところ、タール分が多く、うまく温度が上がっていないようでした。話を聞くと、現在リフォーム中ということもあり薪は廃材がメイン。炉内にも大きめの丸太が2本、燃え切らずに残っていました。屋外に置いてあったシロアリ被害があった木材をなどを燃やしていたそうなので、湿っていてうまく燃えなかったのでしょう。

湿った薪を燃やしても温度が上がりにくいので、低温燃焼で燻された薪から煤やタールが多く発生します。やはり薪ストーブは薪が命。しっかり乾燥した薪を適切な温度で燃やすことがなにより大切です。

 

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